「親の土地」に建てる ②

今日は、昨日の続きからです。

親の土地を借りたことにして子どもが家を建てたら?


親の所有する土地に子どもが家を建てると、
条件によってはみなし贈与になり、贈与税がかかります。


まずは、土地の使い方の違いから、
どんな場合に贈与になるのかチェックしていきましょう。


○使用貸借と賃貸借の違い


物の貸し借りを法律的にみると、
「使用貸借」と「賃貸借」に分かれます。


使用貸借とは↓↓↓

「このDVD、(ただで)ちょっと貸して」

賃貸借とは↓↓↓

「レンタルショップででDVD借りよう。」


二つの違いは、賃料(対価)があるかないかです。


地代も権利金も払わない「使用貸借」の場合は
贈与税はかかりませんが、
上記のお金を支払う「賃貸借」の場合は
贈与税が発生する場合があります。


のちのち相続する場合には
使用貸借にも結局贈与税がかかってくるのですが、
それぞれ注意するポイントをあげておきます。


○使用貸借について


親の土地を子どもに
時価よりも安い金額で売ったらみなし贈与になり、
贈与税を支払わなければなりません。


全くの他人と取引するときと
同じような金額でないといけないのです。


では、子どもが親の土地に家を建てて、
権利金や地代を払わない場合はどうなるでしょうか。


一般的に、親の土地に子どもが家を建てる場合、
権利金や地代を要求する親は少ないでしょう。


しかし、他人の土地に家を建てようとした場合、
通常その土地の持ち主は家を建てようとする人に
借地権設定の対価として、
権利金や地代を支払ってくれ、というはずです。


(※借地権

借地権がついた土地(底地)は、借地人が土地を占有し独占的に
使用収益できる安定的利益が中心となる法的側面があります。)


そうなると、権利金や地代を払わない子どもは、
本来支払うべき借地権相当額(権利金や地代分)を
親から贈与されていると考えられるでしょうか。


権利金や地代も支払うことなく土地を借りる場合を、
土地の使用貸借といいます。


この使用貸借による土地の使用では、
借地権相当額の贈与税が課税されることはありません。

つまり、みなし贈与にはなりません。


しかし、相続の時には借地権の評価額分、
相続税を多く払います。


この使用貸借されている土地は、
将来親から子供が相続するときに相続税の対象となります。


○地代を支払う場合


権利金は支払わないけれども、
付近の相場並みの地代は支払っている場合はどうでしょうか。


生計を別にしている親子間では、このようなケースもあるでしょう。


このように、通常の相場の地代を支払った場合は、
土地の賃貸借といいます。


通常、権利金などの一時金を支払う慣行のある地域で、
権利金の支払いなしで借地権の設定があった場合には、
その権利金相当額の贈与があったとみなされます(みなし贈与)。


したがって、その払っていない権利金の分だけ
贈与税がかかるのです。


ただし、贈与税がかからないようにする方法として、
使用貸借のほかに次の二つがあります。


①子どもが親に対して...

付近の賃貸事例(相場)並みの地代の他に、
通常の権利金を支払っている。

②税法で規定された「相当の地代」を支払う。

わかりやすくいうと、通常の地代に
権利金込分をプラスした地代となり、
通常の地代より高い地代を支払う場合ということです。


今回は、親の土地に家を建てる場合をテーマにして、
注意点をあげました。


みなさんの「家づくり」の参考になれば幸いです。