割安感に隠れた裏側

例えば、1つ400円の商品が2つ必要となり買い物に行ったところ、

3つ買うと1000円という特価売りをしていたとしたら、

思わずその割安感に飛びついてしまいませんか?


今日は、『割安』の裏側についてのお話です。

3足1000円!

○○個で●●●●円!


お店に行くと、よく見かけますね。


ですが、もし余分に買ったものが必要なかったとしたら?
無駄な出費をしてしまったことになります。


また、同じ食品でもお店によって価格設定が違うかったり、
日によって価格設定が違うかったりするため、
少しでもお得な買い物をしようと、
わざわざお店をハシゴしてしまうことはないでしょうか?


しかし、その場合も100円お得に買い物をするために、
100円以上ガソリンを余分に使ってしまったとしたら、
決してお得な買い物をしたとは言えないです。


このような価格のトリックは、
私たちの冷静な判断力を鈍らせてしまうわけなのですが、
「家づくり」においても、同じように価格のトリックが、
私たちの冷静な判断力を鈍らせ、
逆に高い買い物をさせてしまいます。

例えば、中庭がある延床面積25坪の平屋を建てるとしたら...


その家の坪単価は、消費税まで含めると、
引渡し価格で約70万円前後になります。
(中庭は延床面積には含まれませんが、
中庭の工事費用は価格には含まれます)


他方、中庭がある延床面積30坪の平屋を建てるとなると...
その家の坪単価は約65万円前後となり、
先程よりも約5万円ほど坪単価が安くなります。


もちろん、全く同じ条件で家を建てると仮定してです。


つまり、坪単価は家の面積が小さくなればなるほど割高となり、
家の面積が大きくなればなるほど割安となるということなのですが、
坪単価に価格の比重を置いてしまうと、
大切なことを見落としてしまうことになります。


25坪の家は、坪単価は70万円するかもしれませんが
家の総額は1750万円です。


それに対して、30坪の家は坪単価は65万円と、
25坪の家に比べて5万円安くなるかもしれませんが、
家の総額は1950万円と200万円高くなります。


この場合、もしあなたが家に掛けていい予算が、
1750万円だったとしたら?

あるいは、あなたにとって充分な広さが25坪だとしたら?
わざわざ予算を上げてまで家を大きくすべきではありません。


もし200万円予算が上がったとしたら、
そして、その上がった予算を住宅ローンでまかなうとしたら、
さらに金利が加わることになるので、
予算は240万円上がることになります。


そしてこれは、家以外のことに自由に使えるお金が
240万円減ったということでもあります。

また、割安感とは違う話になりますが、
土地に関しても無駄に広い土地を購入する必要はありません。


というのも、
もしあなたにとってちょうどいい土地の広さは、
50坪であるにもかかわらず、
なんらかの理由によって、
60坪の土地を買ってしまったとしたら...
その10坪分、出費が増えてしまうからです。


もし坪単価が20万円だとしたら、
200万円予算がアップしてしまうことになるし、

家同様、金利まで含めると
240万円予算がアップしてしまうことになります。


しかも、土地の場合はその増えた面積分、
「庭」の工事予算までもアップしてしまいます。


その上、家が大きくなれば、
その分電気代も高くなりやすいし家も土地も広くなった分、
固定資産税も高くなってしまうことになります。


つまり、生涯払い続ける2つのランニングコストが
高くなってしまうというわけです。

「家づくり」をする時は、
どうしても金銭感覚が麻痺してしまい、
いとも簡単に予算が上がってしまいます。


ですが、その上がってしまった予算のしわ寄せは、
遅かれ早かれ、
確実に家以外のところにやってくるものです。


ですから、目先の割安感に惑わされないよう、
また、金銭感覚の麻痺にならないよう、
常に冷静に予算とのバランスを見ながら、
「家づくり」を進めていただければと思います。