新国立競技場

皆様、こんにちは。

2019年11月30日に国立競技場が完成して、
早いもので、もうすぐ1年がたちます。
招致活動から工事期間までは、
『新国立競技場』 と呼ばれていて、
竣工日から正式に、
『国立競技場』の名称になりました。


1559億円もかかったそうですね。
当初の予算が1590億円、、、さすが、桁が違います。


設計者である、隈 研吾氏は
この国立競技場を、木をメインとした、
ぬくもりのある建造物に造りあげました。

観客席から見上げた大屋根は
京都・五重塔から着想を得たものだそうですね。
格子状の木材がずらりと並び、圧巻です。
しかも、細く連なる木材は、
47都道府県の地域の国産材が使われ
それぞれの産地に向けた方角に並んでいるそうです。


また、スタンドには、目線を遮る柱もなく、
360度見渡せる広い空間は、
観客と、選手の一体感を生む目的もあるそうです。


観客席だけではなく、
選手の更衣室にも、木材を印象的に配置し、
通路はすべてバリアフリー。


車いす用のトイレには、なんと、
右利き用・左利き用が並べてあるそうです。
すごい配慮ですね。



20世紀の巨大な建物は主にコンクリートでしたが、
時代は変わり、地球温暖化の抑制のひとつとして
『木』を使うという事が見直されているのをご存じですか。



実は、樹木はある程度成長すると、
CO2吸収が極端に低下する為、
伐採して、有効活用し、植え直す事のほうが
環境にとって、ベストなのです。


世界トレンドとしても、『木』を使った建築は、
持続可能な資源活用として、とても注目されています。



国立競技場の、総重量2万トンの大屋根を支える梁は、
鉄骨にカラマツや杉を組み合わせたハイブリッド構造。
鉄鋼の強度に、木材で地震や強風を吸収させるという、
よく考えられた仕組みでもありますが、
このハイブリッド構造、
実は、隈研吾氏に考えがありました。



このハイブリッド構造に使う木材には、
標準サイズの木材(幅10.5cmの流通材)が使える為、
町の製材工場でも加工できるのです。


小さな技術で、大きなスタジアムを造る。



もうひとつの狙いは、
流通材の7割を外国産に頼っているのを
国立競技場のような大きな建物を造る事で
地元で調達できる流通材を使う事によって
地域産業の活性につながり、
海外の輸送による、環境負荷も最小限に抑えられる。


実は、こういった沢山の願いが込められているのです。


完成した競技場は、
鉄骨の、(冷たさ・無機質さ)とは違って、
木のぬくもりや温かさを感じられる
素晴らしいものになりました。


明治神宮外苑と調和した、杜のスタジアム。


オリンピックまで、あと287日(10月9日時点)
どんな夢をみさせてもらえるのか、
楽しみですね。



家づくりでお悩みの方、
新築やリフォームをお考えの方、
お気軽に、弊社までご相談ください。

畳む

秋の気配が感じられる季節となり、
朝と晩が、ようやく涼しくなってきましたね。
場所によっては、肌寒いと感じる方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
私は、「衣替え」をいつにしようかな、、、 なんて考えております。


さて、日本の生活の中では『畳む』ものがたくさんありますよね。
それは、服に限らず
寝具・テーブル・座卓・和服・扇子・傘・風呂敷・提灯
衣桁(いこう)※衣類をかける道具 など、、、
数え上げるとキリがありません。

畳む事の利点は、おおまかに3点あり
・コンパクトになり
・運びやすく
・収納しやすい


この 『畳む』 という特徴をいかして、部屋を有効に使っているのが
日本人の特徴とも言えるそうです。

朝は布団を畳んで押し入れに収納し、
代わりに小さな机をだせば、寝室から食卓へ早変わりし、
机を少しグレードアップさせれば客間となり、
金屏風を置けば、結婚式場になり、、、
押入れ付の部屋ひとつで、充分に暮らせる
昔からの知恵が日本人にはあります。


これに対し、西欧の家具は部屋の機能を固定してしまうので、
ベッドルーム、リビング、、、、
必然的に、部屋数が必要になってきますね。

部屋の機能を家具で固定するのと、
状況に応じて変化させるのと、
どちらが優れているのかは、考え次第だと思います。


大きな家で、部屋数がある家も勿論の事、良いのですが
昔ながらの日本の家の使い方を見直して、
最大限に使える、部屋の使い方を考えるのも
家造りをする仕事に携わる、
私自身の、ひとつの楽しみとも言えます。


ワンルームひとつにしても、
折り畳む家具を使えば、決して狭い空間ではなく
生活をするにあたり、最大限に使える、住まう方だけの
心地良い空間を生み出してくれる事もあるのではないでしょうか。


日本人が考え出したスタイル、『畳む』
小さな事にも意味があるんだと思わせてもらえる
大切なキッカケとなりました。

間取りを作る際には、今の暮らしから考えていくことも必要ですし、
将来的に必要になってくるものも考える事が大切ですね。
今の暮らしの様子と、将来的な望みや希望、快適に暮らせる家造りを
わたくしどもに、是非お聞かせください。

竣工と完成

竣工と完成

日ごとに秋の色が深まっております。
夏の疲れはいかがですか。

新しい住宅が建築中だったのが、
先日、出来上がった様子で、
新しい入居者を待つばかりとなっています。

夏の暑い中、今年も本当に暑さきびしい中、
現場の方がマスクをして、
安全に配慮しながら、
汗を流しながら作業をしており、
大変そうだな、、
熱中症にならないように気を付けてね、、、と
影ながら心配したりして、見守っていましたので、
ピカピカの新しい家が竣工した様子をみて、
本当にうれしく思いました。

さて、皆様は 『竣工』と『完成』の違いをご存じでしょうか。

■竣工とは、
建築工事が終わった事を、意味する言葉だそうです。
完成と同じじゃないの?と思うのですが、実は違います。

■完成とは、
『住み続ける事で完成に近づく』 と日本の文化では考え、
美しさのはじまり、と捉えるそうです。

住む人が何代にも渡り、家の柱や梁を乾拭きしながら

美しい飴色の光沢がうまれたり、
家、そのものを大切に扱っていく事で
美しくなっていく、、、という
古いものを大切にする和の心が要となるそうです。

つくり手と、つかい手の
時間をかけたつながりが、美しさを生む条件、、という事でしょうか。

変化を楽しみ、時間をかけて完成させいく、
『竣工』という言葉を、改めて考えさせられた瞬間でした。

新しい家づくりや見直し、ご提案をさせていただく機会を
大切にさせていただこうと、気持ちを新たにしています。
是非、弊社へお気軽に、なんでもご相談ください。